KEEP OUT!!
放課後はいつだって慌しくって。
けれどどこか、寂しい。
運動部の人たちが放つ喧騒の外側にいるからなのか、それとも暮れ行く夕日の名残惜しさを感じ始める“きわ”に立っているからなのか。
「ふぅ……」
冷静になって考えてみれば、わたしだってふたりに特に相談してバイトを決めたわけじゃない。
自分の道は自分で決めるのがポリシーだから。
それを急に留学するからって“ケチ”をつけられるいわれは亮平にしてみればこれっぱかりもないだろう。
まして、突っ走って散々迷惑かけてきたのはわたしの方だ。
こんなときくらい、素直に応援してしかるべきなのかもしれない。
「でもなぁ……」
そう簡単に素直になれるなら恋愛占いも恋愛成就の神様も、ラジオの恋愛相談コーナーだってこの世に生まれはしなかっただろう。
「うぅ~」
ぐったりと机に突っ伏す。
ひんやりとした感触が頬を伝って脳みそをクールダウン。
この数日で一生分は頭を使った気がする。
もともと条件反射で生きてきたようなものなのだ。
だから、
「わたしがバイトなんて始めなきゃよかったのかな……」
なんてことを性懲りもなく考えたり。
あくまでもそれはきっかけでしかない。
確かに背中を一押しくらいはしたかもしれない。
でも、たぶん、遅かれ早かれ亮平はこの道を選んでいたんじゃないだろうか。
そんな気がする。