KEEP OUT!!

「これは……無理だな」

「ちょっ、何すんの!?」

 突然抱え挙げられてびっくりするわたし。

 亮平はさも当然といった顔で、

「何って、救護テントにいくに決まってんじゃん」

 そんなことをいった。

 冗談じゃない!

 今さら棄権なんてしても代わりはいない。

 わたしは亮平の手を払い、

「ここで逃げたりなんて出来るわけないでしょ!」

「はぁ!?」

 一歩踏み出すだけで息がうっ、とつまるくらい痛いけれど。

 押し付けられた責任ではあるけれど。

 それを放り出す方がこのときのわたしは嫌だった。

 走者はもう間もなくやってくる。

 足を引きずりながらトラックの外へ出ようとわたしがしたそのとき。

「はぁ~。仕方ないなぁ~」

 亮平のため息が聞こえたかと思うと──

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