KEEP OUT!!
「最っ低な目覚めね……」
頭が重い。
昨日は結局ろくに夕食も採らず、お風呂はシャワーで済ませてベッドイン。
けれど全然寝つけなくて。
ようやく眠気がやってきたのは空が白み始めた頃だった。
だからあんな夢をみたのかもしれない。
身体が、ダルい。
いつもならすぐに手鏡で髪をセットするのだけれど、とてもそんな気にはなれなかった。
「はぁ……」
起こしていた身体を重力に任せて再び倒す。
ギッ、という音が部屋の壁に吸い込まれていくと同時に、まぶたが腫(は)れぼったいことに気付いた。
(最悪だ……)
学校をいっそ休んでしまおうか。
でもそれが何の解決にも結びつかないことは明白。
「はぁ……」
天井に向かってため息を吐いたら、みえるはずがないけれど顔の上に降りかかってくるような気がしてわたしは布団に潜り込んだ。
そこでふと、あることが気になって布団からすぐに顔を出し、机の上に置いた目覚まし時計をみる。
おかしい。
いつもならとっくに亮平の声が嫌でも窓の隙間をすり抜けてくる時間だ。
昨日の様子だと風邪か何かで寝込んでいるとは思えない。
しばらく待ってみても、何の音沙汰も、ない。
この日の朝──
──高校に上がって初めて、わたしはひとりで学校に登校をした。