本庁
山口と安川が揃って、都内の特養にいる河東勇太郎を訪ねたのは、九月末日だった。
“果たして河東さんは俺たちのことを覚えてるだろうか……?”
そう思いながら、山口が車を運転して老人施設へと向かった。
訪ねていくと、ちょうど長袖姿の河東がフロアの脇にある新聞などが置いてあるコーナーで新聞を読んでいた。
「河東さん」
「お、山口君に安川君か」
どうやら河東は辛うじて山口たちを覚えていたようだ。
河東が新聞を置き、施設の職員が三人分のお茶を淹れて、三人でしばらく歓談する。
「ピーズファイルは物凄い威力を発揮しましたね」
「ああ。あの裏金のリストは俺が主体となって作ったんだ。察庁のキャリア官僚の度肝を抜いてやろうと思ってな」
「本当にお疲れ様でした」
山口と河東のやり取りを安川が脇でじっと見聞きしている。
“果たして河東さんは俺たちのことを覚えてるだろうか……?”
そう思いながら、山口が車を運転して老人施設へと向かった。
訪ねていくと、ちょうど長袖姿の河東がフロアの脇にある新聞などが置いてあるコーナーで新聞を読んでいた。
「河東さん」
「お、山口君に安川君か」
どうやら河東は辛うじて山口たちを覚えていたようだ。
河東が新聞を置き、施設の職員が三人分のお茶を淹れて、三人でしばらく歓談する。
「ピーズファイルは物凄い威力を発揮しましたね」
「ああ。あの裏金のリストは俺が主体となって作ったんだ。察庁のキャリア官僚の度肝を抜いてやろうと思ってな」
「本当にお疲れ様でした」
山口と河東のやり取りを安川が脇でじっと見聞きしている。