本庁
第8章
8
「吉田の愛人である国谷由季子は、麻取に見張られてますが、今現在都内に潜伏中らしいです」
大出が続けざまにそう言い、書き込んでいた警察手帳を更に捲って、
「国谷は吉田とはあくまで愛人同士という関係で、入籍まではしていないようで」
と言った。
「国谷に前科はあるんだな?」
警視正の村山がそう問うと、大出が、
「ええ。それに今回のヤマも吉田と国谷が共謀して行ったものと思われます。事件を主導したのが吉田で、国谷はおそらく幇助しただろうと」
と言い、
「私が現段階で調べ上げたのは吉田と斉藤ら三者と、共犯の恐れがある国谷についてです」
と重ねて言って、ゆっくりと席に座った。
そのとき、不意に署内に入電があり、ワイヤレスマイクを嵌めた美和子が報告し始める。
「吉田の愛人である国谷由季子は、麻取に見張られてますが、今現在都内に潜伏中らしいです」
大出が続けざまにそう言い、書き込んでいた警察手帳を更に捲って、
「国谷は吉田とはあくまで愛人同士という関係で、入籍まではしていないようで」
と言った。
「国谷に前科はあるんだな?」
警視正の村山がそう問うと、大出が、
「ええ。それに今回のヤマも吉田と国谷が共謀して行ったものと思われます。事件を主導したのが吉田で、国谷はおそらく幇助しただろうと」
と言い、
「私が現段階で調べ上げたのは吉田と斉藤ら三者と、共犯の恐れがある国谷についてです」
と重ねて言って、ゆっくりと席に座った。
そのとき、不意に署内に入電があり、ワイヤレスマイクを嵌めた美和子が報告し始める。