本庁
第10章
10
六本木の路上で後頭部を鉄製と思われる鈍器で殴打されて、大伴良三は死亡していた。
死因は後頭部殴打による失血死で間違いない。
山口も安川も、そして六本木南署巡査部長の東山も事件現場を入念に精査することに専念した。
山口が、
「東山君」
と改めて後輩の名を呼ぶ。
「はい」
「君はピーズファイルというのを知ってるか?」
「ええ。今から十年ぐらい前に察庁の人間たちが使い込んだ裏金の一覧でしょう?」
「ああ。察庁の連中の尻尾を掴んだのが、今、都内の老人施設で暮らしてる河東勇太郎元巡査部長だ」
「確かピーズファイルは本庁の旧型のパソコンの中に入ってるんじゃ?」
六本木の路上で後頭部を鉄製と思われる鈍器で殴打されて、大伴良三は死亡していた。
死因は後頭部殴打による失血死で間違いない。
山口も安川も、そして六本木南署巡査部長の東山も事件現場を入念に精査することに専念した。
山口が、
「東山君」
と改めて後輩の名を呼ぶ。
「はい」
「君はピーズファイルというのを知ってるか?」
「ええ。今から十年ぐらい前に察庁の人間たちが使い込んだ裏金の一覧でしょう?」
「ああ。察庁の連中の尻尾を掴んだのが、今、都内の老人施設で暮らしてる河東勇太郎元巡査部長だ」
「確かピーズファイルは本庁の旧型のパソコンの中に入ってるんじゃ?」