本庁
第14章
14
「どうやら大伴さん殺害の際に本松が使ったと思われる鈍器が、つい先ほど発見されました」
「どこでだ?」
「芝浦の埠頭に浮いていた鋼鉄製の置物を芝浦中央署のデカが見つけたらしいです」
「その凶器で間違いないんだな?」
「ええ。鑑識に回した結果、わずかに残っていた血痕が大伴さんのものと一致しました」
六本木南署の巡査部長である東山高志が警察手帳を捲りながら、目の前にいる幹部はおろか、捜査員皆に順次捜査報告をしていく。
六本木南署の管理官は察庁からの出向組である宮島一仁だった。
青年警官である宮島は上下ともパリッとしたスーツに身を包んでいる。
署内にすでに設置されている本庁との合同捜査本部のフロア内は大勢の警官がいるからか、クーラーが思うように利いていない。
皆、折り畳める扇子(せんす)などを携帯していて、パタパタと扇いでいる。
山口も安川も確かにこのフロア内には尋常じゃない暑さがあって、警官たち皆が熱で体
「どうやら大伴さん殺害の際に本松が使ったと思われる鈍器が、つい先ほど発見されました」
「どこでだ?」
「芝浦の埠頭に浮いていた鋼鉄製の置物を芝浦中央署のデカが見つけたらしいです」
「その凶器で間違いないんだな?」
「ええ。鑑識に回した結果、わずかに残っていた血痕が大伴さんのものと一致しました」
六本木南署の巡査部長である東山高志が警察手帳を捲りながら、目の前にいる幹部はおろか、捜査員皆に順次捜査報告をしていく。
六本木南署の管理官は察庁からの出向組である宮島一仁だった。
青年警官である宮島は上下ともパリッとしたスーツに身を包んでいる。
署内にすでに設置されている本庁との合同捜査本部のフロア内は大勢の警官がいるからか、クーラーが思うように利いていない。
皆、折り畳める扇子(せんす)などを携帯していて、パタパタと扇いでいる。
山口も安川も確かにこのフロア内には尋常じゃない暑さがあって、警官たち皆が熱で体