天然系カレシ
小学生の時
同じクラスだったKちゃんが椿のことを好きだった
どうしても近づきたくて趣味とか好きなこととかを勇気を振り絞って聞いた
そうしたら椿は
『カラス…』
そう言ってフラフラ歩いて行っちゃった。らしいです
それ以来、Kちゃんにはイケメン=不思議くんと言うイメージが付いてなかなか消えなかった……
「あははははっ!それマジ?!」
「椿すげぇ!お前、マジすげぇ!!」
「………記憶ない」
「カラスに夢中だったのね…」
「カラスに夢中だったわけじゃ、ない」
「うん?」
「俺は-………」
ざぁ、と風が吹いた
せっかくキレイにセットした髪の毛が風に舞い上がる
「………キだからね」
「えっ?!何?ごめん、聞こえなかった…」
「…ううん。カラス…いいよね」
「結局カラスかい!」
「チャイム鳴ってるぞー席に着け!」
「やべ!じゃ、また後でね!」
「うん」
風に遮られた椿の言葉
なんだったんだろう?
聞きたいけど…
「椿…あのさ、」
「幸乃。シャーペン、貸して?」
「へ?」
「ペンケース。置いてきた」
無理矢理はぐらかされた気がして
それ以上聞けなくて
「仕方ないわねーまったく」
アタシも気付かなかったフリをするの