天然系カレシ

眠気



雨がしとしと降り続ける六月中旬。


「困った…」

「んー?どったの、幸乃」

「服が…」

「…着れない?」

「殴るよ姉ちゃん!!」


今日は花の金曜日

明日は土曜日


「椿と遊びに行くのに服がなぁぁあいっ!!」


大問題発生!!

どうしようどうしようどうしy…


「椿くん?椿くんならアンタ、何着たってあののほほ~んって顔で『幸乃、可愛い』って言ってくれるじゃない」

「そーゆー問題じゃなぁああい!だって折角遊びに行くのにお気に入りの服洗濯しちゃったし!!乾いてないし!!」


そう。

最近ずっと降ってる雨のせいで洗濯物が乾かない

だからお気に入りのワンピースとか

お気に入りのスカートとかが着れない

確かに椿なら何着たって『可愛いよ』って言ってくれるかもしれないけど…


「『好きな人と遊びに行くのにテキトーな服着ていきたくなぁあい』って?」

「そう!!」


だって好きな人の前では全力で可愛くいたいじゃない?

雨降ってるから髪の毛だって跳ねっぱなしの飛びまくり

靴も濡れちゃうけど

でも!

可愛くいたいって思うのが乙女心ってもんよ!


「おねーさまー」

「イヤ」

「まだ何も言ってないし?!」

「服貸してーでしょ?イヤ。あたしも明日デートなのよん」

「一着くらい!」

「イヤなもんはイヤ」


鬼ー!!悪魔ー!!

いいもん!こうなればクローゼットの中身全部ひっくり返して

コーディネートしてやる!!

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