天然系カレシ

「俺、なんか可笑しいこと言った？」

「言ってる！いっつも言ってる！！おかしいよ？！一回脳外科行ってきなよ！」


椿はアタシを赤面させる天才だよね？！

アタシのこと喜ばせたってイイことないよ？！

アタシすんごいイイ思いしてるよ？！！


「脳外科って…幸乃はたまに面白いこと言うね」


クスクス笑う椿

いやいやいや！！

アンタのほうが面白いよ？

感覚ずれてますよー？？


「とにかくね？アタシは可愛い部類じゃないワケよ」

「でもそれは個人の基準でしょ？西園寺は一般的に可愛いけど、俺の中では可愛い部類じゃないなぁ」

「…変わってるわね」

「そんなことないよ。それに榊兄さんも言ってた」

「なんて？」

「自分の好きな人が一番可愛く見えるもんだよ、って」

「へーいいこと言うね！」

「うん。俺がこの世界で一番可愛いと思ってるのは幸乃だからね」

「ありがとー……って、ちょ！椿？！！」

「もう授業終わるね。また後でね、幸乃」

「ちょっと！！椿ーーー！！」


待って！！今のどういう意味？！

え、は？

え、え？？

それってさ、つまり…椿は……

いや、待て！！

意識しすぎよ幸乃！！落ち着きなさい！！

椿なんかよく言うじゃない「可愛い」とか！

まったく天然っておそろしいわね…

気をつけなきゃ！！


「ゆきのぉー…あついーー」

「もう。言い争ってるからだよ」

「だってー…てか、幸乃、顔真っ赤！大丈夫？」

「へっちゃら！大丈夫！平気！！」

「ホントー？？」

「ホント！！」

「じゃ、行こっか」

「うん！」


妙な期待はしないんだから！