天然系カレシ
闇夜の蛍
満天の星が空を覆いつくす7月中旬。
遠くから聞こえてくる祭囃子
からころからころ
下駄の音
「つばきー!次、あれあれ!!」
「待って幸乃」
毎年恒例になった椿とのお祭り
ホントは去年まで心配性の椿のお兄さん、桜さんが付いてきてくれてたんだけど
今年は大きくなったからと
桜さんがカノジョと一緒に行くからって理由で二人きり!!
「バナナちょこー♪」
「幸乃好きだもんね」
「うん!あ、でもお金…」
買おうと財布を出したけどそういえば昨日雑誌買ってお金使っちゃったんだった
どうしよう…2本食べたいけどー!
食べたらお金ないし、太っちゃうかも…
うーん…うーん…
「おじさん。2本ちょうだい」
「はいよ!300円ね!!」
「椿!」
「はい……行こ、幸乃」
「あ、うん」
バナナちょこを2本持った椿の後に付いて行く
神社の境内
みんなお祭りに行ってて境内には人の姿がない
「どーぞ」
「お金!」
「いらない」
「でも…!」
「俺におごらせて、ね?」
有無を言わせぬ感じでバナナちょこを目の前にチラつかせてくる
く~…負けた…
「イタダキマス」
「はい、どうぞ」
一口、クチに入れるとちょこの甘みとバナナの甘みが広がる
美味しい!
お祭りで何が楽しみかって、バナナちょこの他に何があるのよ!
たこ焼きとかお好み焼きもいいけどね~定番はバナナちょこ♪
「あー美味しかった!」
「ごちそうさま」