天然系カレシ


「ありがとね、椿」

「うん」

「じゃ、もう一回行く?」

「もうちょっと、ここいていい?」

「??いーけど…」


もう一度座り直すと椿がアタシの肩に頭を乗っけてくる

どうしたのかな?

もしかしてもうおねむ…??

しばらくそうしてたら椿がいきなり、アタシの手を握った


「椿?」

「ねぇ、幸乃」

「どうしたの?眠い?」

「ううん…違う」

「じゃ、何?」


なかなか話を切り出そうとしない椿を不思議に感じつつも

話してくれるまで待ってみる


「……、」

「………幸乃」

「はい?」


10分くらい経ってようやく椿が口を開く

肩に乗ってるから椿の顔が見えない

わかるのは、アタシの手を握った椿の掌がとても温かいこと

普段は低音の椿の手がこんなにあったかいってことは…緊張してる?


「幸乃、好きな人、いる?」

「何、突然…いない、いや、いる、かな?」

「どっち?」

「い、るよ」

「ふーん…そっか」

「何よー?何?どうしたの、いきなり」


突然の質問に驚いたけど素直に答えてみた

だって、アタシの好きな人、すぐ隣にいるしね

てか、いきなり何があったのよ

椿の思考回路がどう繋がってるのかわからないわ…


「んー…誰かなぁーって」

「だ、誰って……」

「あー」

「あー?」

「俺だったりしたらいーのに…」


……

何を?!

どうしちゃったの?本当にどうしちゃったの?!

大丈夫?もう眠たいんじゃない?!

やだ、もう!

アタシ、顔赤いよね?


「つ、ばき、だって…言ったらどうする…のよ」

「うーん…」


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