天然系カレシ


「んーー!やっとお昼ー!」

「今年はペース速いね」


図書館のフードコーナーで持ってきたお弁当を広げて二人で食べる

今日はアタシが腕によりをかけて作った自信作!!

そりゃぁ椿のお兄さんが作ったお弁当には敵わないかもだけどね…


「これ、幸乃が作ったの?」

「うん!えへへ…ちょっと焦げちゃったけど…」

「……あ」

「椿…?」

「ありがとう、幸乃!すごい嬉しい!」


きゅんとする笑顔で自信作の卵焼きを頬張る椿

可愛いなぁ…なんでそんな可愛いのかしら…

女のアタシでも可愛いと思ってんだもん

相当よねぇ


「?どうしたの、幸乃」

「ん。何でもない!さ、食べるか!いただきまーす!」

「はい、お茶」

「ありがとー。ど、美味しい?」

「うん!」


そんなに嬉しいかねー

すっごく焦げてますよ?もうそれ以上どうにもならなかったのよー?


「アタシ料理向いてないかも…ごめんね?そんな焦げてるの…」

「なんで?美味しいよ」

「うー…でもさ…」

「大丈夫。幸乃が作りたくないなら俺が作るから」

「え?」

「結婚したらご飯は俺が作ってあげるからね」


血痕…結婚……結婚?!

いきなり話が飛びすぎじゃぁないですかね椿さん!!

いや、そんな満面の笑顔で言うことじゃないし!!

てか、え?もうそこまで考えてんの?!

そんなにアタシが好きか!!


「あ、ありがとう…?」

「うん、任せておいて」


とりあえず

料理の勉強はしなくていいみたいです…


「……暑いわね」

「そうかなぁ?」

「えぇ…アイスが食べたいくらい暑いわよ…」

「幸乃、ほっぺ赤いもんね」

「うるさーーい!!」


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