天然系カレシ
でも私達も今日から二年生なんだから、もう少ししっかりしてもらわなくちゃ。
今年も同じクラスとは限らないんだから。
私達が通っている学校は一年ごとにクラス替えがある。
だから毎年、メンバーが変わるの。
一年生の時は椿と一緒だったけど、もしかしたら離れちゃうかも。
まぁ、例え離れても毎日迎えに行くのは変わらないんだけど。
「おはよー。」
「おはよ、何、アンタ今日は早いじゃん。」
下に降りるともうお姉ちゃんが起きていた。
私の姉、冬柴 玲香(ふゆしば れいか)は高校三年生。
今年は高校卒業の年だから、進路を決めなきゃいけない大変な時期。
ま、お姉ちゃんは頭いいから進学だと思うけど。
「じゃ、アタシもう行くわ。いってきまーす!」
「あら、お姉ちゃんもう行くの?気をつけてね。」
「はーい。」
「いってらっしゃーい。」
地元の高校じゃなくて電車で三十分もかかる高校に進学したお姉ちゃん。
なんでも、お姉ちゃんの大好きな人がその高校に進学する予定だったからそこに決めた、って言ってたっけ。
そんな不純な動機で入ってもいいのかなぁ、って思うけど入れちゃうんだもん。
すごいよなぁ…。
「はい、ご飯。早く食べなさいよ!椿くん待ってるでしょうから。」
「わかってるよ。いただきます。」