天然系カレシ


学校を出ると外はもう暗くなっていた


「寒いねぇ…」

「息、白い」

「もう冬も近いしね」

「…お腹空いた」

「んー…あ、あった!はい、飴ならあるけど」

「いいの?」

「うん。アタシ食べちゃったし」

「ありがと」


受け取った飴の包みを開いて口に入れる椿の横顔を見る

ココア味だから美味しいはずだけど…


「甘い…」

「美味しくない?」

「ううん。美味しいよ」


とろけるような笑顔を浮かべて飴を頬張っている

可愛いなぁ、なんて思ってたらふと顔に影がさして


「…、」

「………半分コ、ね」


コロン

アタシの口の中にココア味が広がった



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