王様ゲーム〜俺とお嬢さんだけの甘く危ない罰ゲーム〜
「良いのか?柚樹怒ってたぞ?」



「倖ちゃん……別に良いです。あいつに嫌われた方が、一生心の中で忘れないでいてくれるから」



鈴が教室を飛び出して、入れ違いに倖は、教室に入って来る。



「だから、俺構いません」



そう言って渚遠は、笑う。



(バカな奴だな。神風は……)



まさか、鈴も同じ考えで居ることは知らないだろう。



倖は、渚遠の頭をポンポン撫で鈴が出ていった方を眺めていた。



二人の事を倖は、密かに応援していた。でも、素直に言うのは恥ずかしいらしく遠まわしの言い方に鈴が気付く事はないだろう。



嫌われても、渚遠と鈴を昔から知っていた倖は、何かしたかったのかもしれない。



自分が出きることは、少ないだろうけど、きっと何かをしたかった。



それが、王様ゲームで二人をくっつけさせることだと、倖は思った。



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