王様ゲーム〜俺とお嬢さんだけの甘く危ない罰ゲーム〜
「諸遠の事宜しくね?」



「あ、はい……」



あたし達が、豪邸から去るまでオバサンは、ずっとあたし達の背中を見つめていた。



あたし達と言うか、諸遠さんの背中を……



そう言えば、あたし名前言ってなかった!



その事を思い出しあたしは、また豪邸に引き返す。



オバサンは、まだそこに居た。



「あの……はぁ……」


急いで来たから、なかなか声が出ない。それでも、オバサンは、微笑んであたしを見ている。



「お嬢ちゃん、落ち着いてからで良いわよ?」



「はぁはぁ……はい、あの……あたし」



そこまで言って、オバサンの顔をじっと見つめる。



「柚樹鈴……って言います」



「ええ……」



「あたし……幸せにします!」



オバサンは、びっくりしたようにあたしを見つめる。



「諸遠さんを!」



そして、オバサンはクスクス笑って、あたしの頭を撫でてくれる。



「ご丁寧に良いに来てくれてありがとう」



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