王様ゲーム〜俺とお嬢さんだけの甘く危ない罰ゲーム〜

先生の親友はナンパなアイドル

「待つんじゃ渚遠!俺じゃ!」



だけど、先生は声の主に聞き覚えがあったのかピタッと急に止まり、掴んでいる手の力も緩めてくれる。



あたしは、思いっきって後ろを振り返りその人物を見つめた。



その人は、花火の絵柄の青い浴衣を着ていて、赤い長い髪を一つに縛っている。


所々縛り方が下手なのか、はみ出ている。先生から比べても、下手なのが良く分かる。



だけど、それでも、容姿はイケメンだった。青い瞳が印象的で、男の人なのに綺麗だとも表現できる。



「……」



先生は、その人を見た途端に黙り込んだ。



「先生?」



急に黙り込んだ先生が、心配になり声を掛ける。だけど、先生は黙ったまま下を向いたままだ。



「はぁ……またか……」



そう呟いたと思ったら、先生は嫌そうな表情をして、その人に声を掛けた。



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