桐壷~源氏物語~
第一章

入内



「まあ、姫様。菫(すみれ)の襲(かさね)がお顔に良く、お映えになります事」


「こんなに美しい姫様が私達のご主人だなんて、鼻が高いですわ」



「有難う。私こそ貴方達が居てくれて、どんなに心強いか」




「後宮は、女の戦う場所だとお聞き致します。姫様。姫様のようになよやかなお方が後宮へ赴かれるなんて、私は少々不安です」



「……」

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