猫と僕と
玄関から出て来た倉本さんは僕の抱えた段ボールを不思議そうに見つめた。



あの……これ……



何て言えばいいんだ。



「大きな荷物ですね」


話しかけてくれたのは倉本さんだった。


「あっ…はい。実家から野菜が届いたんですけど、料理しないし……良かったら、いりませんか?」

「えぇ!?いいんですか?」



予想外に倉本さんは喜んだ。


なんか……よくわかんねーけど、ラッキー!


「全然!全部あげますよ!」

倉本さんは少し戸惑ったけど、それでも段ボールを抱えると「お母さんに悪いな…」って言いながら受け取ってくれた。



< 25 / 126 >

この作品をシェア

pagetop