猫と僕と
春の陽気に誘われてウトウトしながらテレビをつけた。



別に見る気もないけど何と無くボリュームを上げて、携帯を開く。




「ブチ、なにやってんだろ」




携帯を耳に当てながらテレビを見ると、列車事故のニュースがやっていた。それは毎日、僕が通勤に使っていた列車の事故だった。



「うひょー…こわぁ…」


でも別に気にしない。


人間なんてそんなもんだ。自分に関係がないとわかると、大事故さえも過ぎ去る生活の中でどうでも良くなる。


「死者1人……へぇ被害少なくて良かったじゃん…………」

全然少なくないのに、人ってのはこうも他人には無関心なんだ。


受話器の中で発信音が続く。


「あっもしもーし!ブチ今なにやってんの?」



そして、暇人だと思ってたブチから最悪な返事が来る。




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