准教授 高野先生の個人授業

それは“しらけないように間を持たせなきゃ!”という配慮ではなく、

言うなれば、彼女なりの楽しい創意工夫とでもいうか。

おもしろいなぞなぞや、超マニアックな文学史クイズを出してきたり、

いきなり“一句浮かびました”などと俳句や川柳を詠んでみたり。

そういえば――

今となっては懐かしいけど“見学する!”なんてこともあったっけ・・・。

地味に“装着”作業をする僕の背中にはりついて、興味深げにじーっと・・・・・・。

彼女って、やっぱりおもしろい人だなぁと、つくづく思う。

照れ屋なくせに妙に大胆で物怖じしないところがあったりして。

一緒にお風呂に入ると言い出したのも彼女だったし(光熱費節約の為とのこと)。

必ずしも僕は女性をたくさん“知ってる”わけじゃないけれど、

彼女はやっぱりその・・・個性的というか独創的というか、そういう人に違いない。

とにかく詩織ちゃんは特別で、僕にとってはこの上なく魅力的な人なのだ。


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