僕の白雪姫


力強く掴んでいた朱李の手を離して朱李の小さな身体を抱き寄せた。



「いや!!離して!!」


そう言って暴れだす朱李。俺は朱李が逃げない抱きしめる。


「なんでそんなに嫌がるんだよ…」


朱李の動きがピタリッと止まり語りだす。


「連時は…私のこと……好き?」


まだ朱李の声は震えているそんな朱李の頭を何度も撫でてあげる俺…。


「好きだよ…」


「恋愛として好き?友達として好き?」


その言葉に声が詰まる。
少しの沈黙が長く感じてしまう。
その沈黙を破ったのは
俺ではなく朱李の方だった。


「私……今日振られちゃうんだよね…?」


ドクンッ……


朱李は多分俺が朱李を
恋愛対象の好きじゃないってことに知ってたんだ…。だから俺は朱李に「ごめん…」とだけ言うと
朱李を自分の身体から離す。






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