僕の白雪姫


周りを見渡して
出入り口の後ろに回る。
すると
壁に寄り掛かり
しゃがみこんで泣いている姫がいた。

そしてその前には
いつもだったら
可愛らしく微笑んでいる
優しい朱李が
つり上がった目付き……
小さくて形のいい手は
爪をたてて姫の髪を
ぐっと持ち上げ
いつもみたいなピンク色ねのような優しいオーラは
どす黒く刺々しいオーラを放っている。


俺はそれを見て
姫の髪を掴んでいた朱李の手を払って
姫を抱きしめる。


「れ…連時…くん」


震えて何を言っているのか分からないぐらいの小さな声で俺の名前を呼ぶ。
姫の目は打たれたのか
大きく腫れ上がり
顔は傷だらで手足には
引っかき傷があり
血が出ているところもある。






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