僕の白雪姫


「姫…大丈夫?」


ぐちゃぐちゃになった姫の髪を優しく撫でる。
俺がそう言うと
涙が姫の目からこぼれ落ちる。

それを見て
俺は無意識に朱李の髪を掴んでいた。


「い…痛い……痛いよ…連時……やめて!!」


朱李の目はうるうるして今にも泣き出してしまいそうだ。
いつもの俺だったら
すぐに抱きしめてあげる。だが今日の俺は違う。


泣いた
姫の顔見てしまったせいで自分の心を止められない。

「お前も姫にしたんだろ?」


「っ……。」


朱李の瞳からはすでに涙がポロポロ溢れている。


「あの……もうやめ…」


「なんで?」


姫の顔見ないで
答える。
なんでだよ。
なんでだよ。
なんでだよ。
ひどいことされたんだろ?いやなことされたんだろ?苦しいことされたんだろ?なのになんで
朱李のことも
自分みたいなめに
合わせてやらないんだ?






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