僕の白雪姫
「なんでも…それに誰かが嫌がってるのに見てみぬ振りなんてできないよ……」
そう言って俺の服の裾を
ギュッと掴んだ。
そんな姫の悲しそうな表情を見て仕方なく
朱李の髪を離す。
すると朱李は力が抜けたのかその場に座りこんだ。
そして姫に先に保健室に行くように言うと
少し迷っていたけど
「わかった」と行って
屋上を出て行った。
姫が屋上から出て行ったことを確認してから
床に座りこんだ朱李を見下げると朱李も泣きながら
こっちを見た。
「ごめんなさい……私連時が白雪さんのこと好きだってこと知ってたけど…どうしても私のことを見てほしかった……。」
朱李が自分の涙を手の甲で拭きながら言う。
「だからあんなことしたのか?」
座りこんでいる朱李の目線に合わせてしゃがんで朱李のぐちゃぐちゃにしてしまった髪を撫でる。