僕の白雪姫
だけど俺は
傷だらけの姫が心配で朱李のことを考えている余裕もなく、
素早く立ち上がる。
「ごめんな…」
そう言って屋上の扉に向かう。
「……――――やる」
その時朱李が
言った言葉は
強い風で消されてしまい
何を言っていたのかわからなかった。
急いで階段から
駆け下りて一階にある
保健室に飛び込むと
そこには保健の先生は居なくて姫だけが椅子に座っている。
「もう…手当て…した?」
急いで階段から
下りて来たせいで
途切れ途切れに話してしまう。
その声に反応して
顔を俺に向ける。