僕の白雪姫
正直に言うとこうなってしまった陸斗を止めるなんて不可能だ。
俺が見てきた限りでは
裏切った奴ら全部半殺しにしないか病院送りの状態にならないと陸斗は絶対気がすまない。
こんな時…
衣希がいたらいいんだけど……。
なぜかわからないけど
衣希がいると何故かケンカがおさまってしまう。
オカマパワー……
みたいな?
「おいあのオカマ野郎に電話しろ…」
零が耳元で囁く。
多分零も見るに見かねたのだろう…。
でも…
衣希に電話するのなちょっと無理。
「お前が電話すれば?俺…陸斗ケンカ見てて平気だし……」
まぁ一応
長い付き合いだし…?
こんなケンカほぼ毎日見せつけられたら慣れたくないのに慣れてしまう。
「…オカマ野郎に電話すんのヤダ」
「俺も無理」
「どうなんだゴラァ!!!」
「だから…別に騙したいわけじゃなくてですね……」
……。
これは早く助けないとヤバイな……。
もう二発ぐらい殴られてるしな。
「しゃ〜ねぇから電話してやるよ…」
イヤイヤ言ったのは
俺じゃなくて零の方だった。