僕の白雪姫
「あ…」
遠くからでもわかる。
友達と仲良くしゃべりながら歩いてくる姫の姿が……。
ドキンッドキンッ…
姫が近づいてくる。
それだけで胸が高鳴っていく。
いつも廊下ですれ違うと
絶対に姫から話かけてくる。
期待と不安が混ざりあって変な気持ちになっている。
ドキンッドキンッ
胸の音がうるさい。
顔がどんどん熱くなる。
自分の動きが止まってしまう。
話掛けてきてくれるかな?もしかしたら話掛けてくれないかもしれない。
どんどん近づいてくる!!
姫が近づいてくるほどに胸の音がうるさくなってくる。
そして俺の前にきて
姫が俺の方をチラッと見た。
ドキッ!!
大丈夫!!
いつもみたいに姫から話掛けてくる!!
そして俺と姫の視線が絡み合う。
いつもみたいに
話掛けてきてくれると思ってた……。
だけど……
俺と目があったはずなのに……
姫は俺を無視して
俺の横を通り過ぎて行った。
なんで……?
なんでたよ…?
なんでいつもみたいに話掛けてきてくれないんだよ…?
なんでもいい……
なんでもいいから俺に話掛けてよ…。
好きな子に話掛けてもらえないだけでこんなに苦しいなんて知らなかった。