僕の白雪姫


気付いたら
言ってしまっていた
その言葉。





まるで告白みたいだって思ったけど
そんなこともうどうでもいい。





言ってしまったんだから後悔なんてしない。
これが俺の気持ちだから。




姫の顔がどんどん
赤くなっていく。





二回目の告白。





叶わないって
わかってる。
だけど本気で好きなんだ。




「俺…まだ姫のこと好きなんだ。」





もっと…
その瞳で
その心で
もっともっと
俺を見て…
俺を思って…





今だけでいい。
今だけ…
姫の心を俺でいっぱいにしてやりたい。





「姫が俺のこと嫌いだってことわかってる…だけど……俺は世界で一番姫を好きだって自信がある」





そう言うと姫が
俺から目をそらす。





そらさないで…
俺だけを見て…
今だけでいから。





「俺だけを見てよ。」





俺も姫を見るのをやめて天井を見た。
ところどころ汚れがある。




それがなんだか真っ黒い星のようだ。
キレイだとは思わないけど…。
俺にはそう見えた。





そしてその時
姫が俺に話かけてきた。







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