僕の白雪姫
「もしかして…
カツキのこと
嫌いになったの?」
「そうじゃないけど…」
「じゃあちょうだい!!」
朱李の瞳から
涙が次々に流れてくる。
姫は何も言わないで
苦しそうな表情をしているとってもとっても…
苦しそうな表情を…
「…だい…
ちょうだい…
ちょうだい!
ちょうだいよ!」
「朱李…」
「お願い…お願いだから…
あたしに…
連時をちょうだいよ…」
次に
朱李が出した言葉に
俺は言葉をなくした。
「姉さん…」
え…?
「お願いよ…お願い
姉さん…」
ねえ…さん?
姫が朱李の姉?
「いつも…いつもいつも!…
姉さんはあたしの
大切な大切な大切な…
愛する人を
とっていくの?」
「朱李…」
姫は何度も朱李の名前を呼んで
「泣かないで」
と言うように
ずっとずっと
苦しそうな表情をしていた