僕の白雪姫


「だから…朱李ちゃんと」
「それが?」


陸斗の話を最後まで
聞かなかったのが
気にくわなかったらしい
陸斗が俺を少し睨む。


「お前が1ヶ月付き合うとかさ……めちゃくちゃ珍しいことだろ?」


陸斗の眉間にしわがよる。
少し考えてから
俺は、答える。


「そうかな?」


「だって…姫ちゃんとか初恋とか言って早かったじゃんか…」


……。
姫か…。
名前を聞くだけで
ドキドキしてしまう。
だけどそれが
陸斗にばれないように
平然にしゃべる。


「俺が本気で好きになるわけないだろ」


ズキッ……


自分で言ったのに
心臓がズキズキ痛い。

陸斗が俺の前に立ち
俺の顔を覗きこむ。





< 82 / 242 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop