僕の白雪姫
姫……
姫の名前を聞いただけ
ビクッとする。
姫……。
姫の後ろ姿を見ただけで
心が揺れて苦しい。
姫……。
姫を近くで見たり
笑顔を見たら
心が壊れてしまうんだ。
俺は、
姫の名前を呼ばないで
ただただ姫の後ろ姿だけをじっと眺めていた。
そしてその時
チャイムの音が聞こえてきた。
だけど
その音は、
雨の音で消えてしまう。
「あ…」
チャイムがなったのと同時に姫が振り返った。
いつもふわふわしている髪型は、雨のせいでぺたんこになっていて
制服が肌についている。
「連時…くん?」
ドキンッドキンッ
俺の心が揺れだした。