ほどよい愛
「…熱心に見てるんだな」

急に声をかけられて、息がとまりそうになった。

そっと振り返れば…。

「相模恭汰!」

思わず呼び捨てで叫んでしまい慌てて

「あ、すみません。この作品が好きで…思わず…すみません」

しどろもどろに謝り続ける私をしばらく見下ろしていた恭汰は、

「この模型使って近付いてきた女お前が初めてだな」

と決して爽やかとは言えない、誘いをかけてくるような笑いで私を見つめてきた。

見つめてくる瞳。

反論するのも忘れ、私は一瞬で恭汰に落ちてしまった。

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