ほどよい愛
全ての図面と現場の確認が終わって、聡と会社に戻ろうとしていると、俺の携帯に結衣から電話が入った。

「もしもし」

『あ、相模くん?今大丈夫?』

「あぁ」

『…あの…仁科さんなんだけど』

葵?

『相模くんの模型にかなり思い入れがあるみたいで…』

「それは、知ってる」

『で、協会から戻ってこないのが嫌みたいでね…』

「……」

『話の流れで…可奈との事話しちゃったの。ごめんね』

「可奈の事?」

今更なんで可奈が出てくるんだ?

『可奈のために模型作った話、仁科さん前から知ってたらしくて落ち着いて聞いてたけど、別れた理由までは知らなかったみたいで』

「は?お前そんな事まで言ったのか?」




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