ほどよい愛
『本当ごめん。最後仁科さん動揺して考えこんでたから気になって。相模くんからフォローしてあげてね』

…動揺…する必要なんてないんだけど。

可奈の話は今まで一度もした事なかったから、結衣から聞かされて相当考えこんでるな、きっと。

「わかった。とにかく今夜にでも話しとく」

『うん。何かまずい事になりそうなら私も力貸すから』

「いや、余計こじれそうだから口出すな」

笑いながら言う俺に少し安心したのか、結衣が息をつくのを携帯ごしに感じる。

「葵がどう言おうと手放さないから大丈夫。あいつもそういう俺の気持ちに気付いてるだろ」


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