ほどよい愛
恭汰の言いたい事を、ちゃんと正確に受け止めたい。

今感じる温かさは、私の求めていた温かさだって受け止めていいの?

「もし、まだ他に帰りたい理由があったら。…俺がつぶしていくから言え」

背後から聞こえる声は、決して大きくないけれど。
抱き締められる腕の強さと同じで、もう私は逃げられないってたたきこまれてるみたいで…。

今までの臆病な私には、気を失いそうなほどの恐怖。

そして…恭汰を好きで好きでどうしようもない私には、涙溢れてくるほどの安堵感。

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