ほどよい愛
恭汰の腕から抜けて振り向き、視線を合わせると、いつもと同じ温かい瞳。

「…つらくなかったの?」

「…ん?何が?」

「私は側にいても、俯いてばかりで」

「…辛いよりも、大切な気持ちが大きくなってたからな。…それに、抱かれてる時にはかなり素直だし」

「は!?」

「最初に抱いた時から、少しずつそうなるように俺が教えこんだんだ。愛し合う時にはお前が本気で気持ちぶつけられるように、な」

少し傲慢に。
少し自慢げに。

話す恭汰は素早く私の着ているブラウスのボタンを外して、胸元に顔を埋める。

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