ほどよい愛
「じゃ…恭汰は父さんと母さんの後輩?」

「そ。その講演会で聞いた『子供の家』っていう話がかなり俺の中に残ったんだ」

慎重に運転しながらも、助手席の葵の様子を気にかける。

少しずつ混乱が落ち着いてきて、冷静に俺の話を聞いてくれている。

「その子供ってのは葵と兄貴の事だったんだな」

そう…。葵がどう受け止めるかはわからないけれど、俺にとっては予想もしなかった奇跡。

葵があの『未来』にここまで執着している理由もわかった気がする…。

< 165 / 302 >

この作品をシェア

pagetop