ほどよい愛
でも、私を見つめる目はまだ熱くて、私の息もまだ整わなくて。

「自分の気持ちを無視しないとこんな感じだな。葵の不安もわかってるから今まで俺の気持ちは無視してたけど」

恭汰の指が私の頬を優しく撫でている。
まだ落ち着かない鼓動と、恭汰の瞳の切なさが、私の本当の想いを隠せなくしてしまう。

無理矢理作っていた恭汰との距離なんて…。
いつかは離れてしまうと思いながら過ごしている毎日なんて。

「気持ち無視しないで。いつでも一緒にいて、私に恭汰の気持ち全部見せて…欲しい」

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