ほどよい愛
そういう私の言葉が、かなりの勇気のいるものだとわかる恭汰は、思ってもみなかった言葉を聞いて、しばらく固まっていた。

そして…。

普段の強気な光を目に光らせると、そっと私の耳元にささやいた。

「俺の気持ち全部やる。で、葵の気持ちも体も好きにするからな。とりあえず、今晩は葵んちに行くから」

熱くて愛しい吐息が、私の今までの臆病な呪縛を解いてくれた…。
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