ほどよい愛
③
週の後半は忙しく過ぎていった。
私は来月から始まる新しい物件の設計チームに入る事になり、今抱えている仕事を何がなんでも完結させなければならなくなった。
恭汰の下から離れる初めての仕事。
最初、他のチームから私を使いたいと指名があった時、恭汰は渋ったらしい…。
けれど、相手からの強い希望と、私のスキルアップの為に了解したらしい。
ただ、籍は恭汰の下のまま。
「一緒に暮らすんだし、仕事別でもいいか」
と呟く恭汰だったけど、
『一緒に暮らす』
という言葉は、私には切なくて…少し苦しい…。