ほどよい愛
約束




結局、定時後になっても社長の視察グループは帰社する事なく。
聡からの電話で、視察のあと打ち合わせという名の宴会に突入するらしく…。
恭汰の帰りを緊張しながら待っていた私はがっくりし、もう帰る事にした。

秘書課に置かせてもらっている模型を取りに行くと、杏奈が不安気に待っている。

「預かってもらってありがとう。今日は恭汰かなり遅いみたいだし仕切り直すね」

へへっと軽く言う私に、朝と同じく不安気な瞳を私に向けると

「夕べの電話で言ってたけど…本当にするの?」

「…うん。するよ。…プロポーズ」

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