ほどよい愛



会社を出た後、タクシーで、一旦自分の部屋に帰った。

スーツケースを広げて着替えやら身の回りの物を詰めた。

そして、模型と一緒に車に運びこむ。

考えると不安がじわじわとやってくるから何も考えずに淡々と。

最後に自分の部屋の鍵をかけて。
ポケットからもう一本の鍵を取り出す。
何度か使った恭汰の部屋の鍵。

ぎゅっと握って願いをこめた。


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