ほどよい愛
寝ているふりをして、恭汰の指先の感触に浸りながらぼんやりとテレビを見ると、普段私がよく見ているお笑い番組が流れていた。

目が覚めた時の笑い声はこの番組か…。

なんとなく見ているだけのお笑い番組だけど、やっぱり面白くて。

「くくっ」

つい、笑い声をあげてしまった。

肩を震わせていると、頭上から

「人の膝でよく笑えるな」

「…ごめんなさい…」

テレビから視線をそらせないまま起き上がると、ぐいっと顔を掴まれて無理矢理右に向けられる。

…怒ってる…?

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