ほどよい愛
頬をつたう涙を指先で拭ってくれると、さっき光った小さな物…。

模型の縁側に置かれていた指輪を手にとり、私の目の前に差し出す。

「…本当に…?」

「本当。この指輪の意味わかるな?」

…余裕いっぱいの恭汰の言葉に、私はただ大きく頷くしかできない。


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