ほどよい愛
「透…」

「葵、本当に相模さんと幸せになるんだな?」

「…うん。大丈夫」

私も、なんだか緊張して声が震えてる…。
でも、恭汰と一緒にいて幸せになれないはずはないっていう妙な自信があって。
笑顔で透に答える事ができた。

「…。相模さん」

まだ頭を下げている恭汰に向かって、透も同じく頭を下げた。

「葵を…妹をどうか大切にしてやって下さい」

二人の様子が私の涙を誘って、しばらく止まらなかった。

珍しく兄貴らしい事してくれて…。
私の為に頭下げてくれて、ありがとう、透。

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