ほどよい愛
そろそろ会場に入ろうかと立ち上がった時。
「…もしかしたら、葵ちゃん…?」
と声をかけられて振り向くと、50歳くらいの優しくほほ笑む女性が立っていた。
「綺麗になったわね…」
「あ、あの…」
「あら、ごめんなさいね。私明日香と…あなたのお母さんと友達で…」
そう言ってかすかに涙ぐむその人は。
「お久し振りです。新見会長」
不意に恭汰が声をかけた。
「会長?」
「あぁ。設計協会の会長だ」
「え…。あ、こんにちわ」
慌てて頭を下げる私に
「ふふ。そう緊張しないで。今日は、明日香の息子の透くんが大賞を取ったから、あなたにも会えるんじゃないかと楽しみにしていたのよ」
「……」
ふと、その温かい笑顔を見ていると、亡くなったお父さんとお母さんも、会場のどこかで透の受賞を喜んでくれているような気がした…。
「…もしかしたら、葵ちゃん…?」
と声をかけられて振り向くと、50歳くらいの優しくほほ笑む女性が立っていた。
「綺麗になったわね…」
「あ、あの…」
「あら、ごめんなさいね。私明日香と…あなたのお母さんと友達で…」
そう言ってかすかに涙ぐむその人は。
「お久し振りです。新見会長」
不意に恭汰が声をかけた。
「会長?」
「あぁ。設計協会の会長だ」
「え…。あ、こんにちわ」
慌てて頭を下げる私に
「ふふ。そう緊張しないで。今日は、明日香の息子の透くんが大賞を取ったから、あなたにも会えるんじゃないかと楽しみにしていたのよ」
「……」
ふと、その温かい笑顔を見ていると、亡くなったお父さんとお母さんも、会場のどこかで透の受賞を喜んでくれているような気がした…。