ほどよい愛
大きな拍手に包まれて深々と頭を下げる透。

これまで、高校も大学も別々で、大切な事も全て自分一人で決断していた彼を、冷たい奴…と思った事もある。

勝手にイタリア行きを決めた時には、自分は家族として認められてないんじゃないかと落ち込んだりもしたけど。

確かに愛され、大切にされている。

どんなに素っ気なくしていても、気持ちの真ん中には私の事を想っている温かい場所がある。

今まで気付かなかった事が恥ずかしい…。

ごめんね。

そして、透、

ありがとう。

二人とも、幸せになろうね。

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