ほどよい愛
「相模さんに会いたくて、今の仕事選んだんだろ?」
突然真面目な口調で話しかける慎也を見ると、進路に悩んでいた高校三年の頃がよみがえってくる。
「相模さんが賞取った作品見てすぐに建築のある大学に決めたんだろ?葵と透二人とも。あんなに二人して大学に進むの遠慮してたのに」
「…透さんって?」
実菜さんが尋ねる声にもあっさり
「葵の双子の兄貴」
って答えただけで私への視線は外さずに言葉は続く。
実菜さんは、それに驚いているようだけど、私に軽くほほ笑んで肩をすくめていた。
突然真面目な口調で話しかける慎也を見ると、進路に悩んでいた高校三年の頃がよみがえってくる。
「相模さんが賞取った作品見てすぐに建築のある大学に決めたんだろ?葵と透二人とも。あんなに二人して大学に進むの遠慮してたのに」
「…透さんって?」
実菜さんが尋ねる声にもあっさり
「葵の双子の兄貴」
って答えただけで私への視線は外さずに言葉は続く。
実菜さんは、それに驚いているようだけど、私に軽くほほ笑んで肩をすくめていた。